第13回 世界のアニメーション映画祭/ザグレブ、アヌシー
あと、ザグレブとアヌシー。
ザグレブ国際アニメーション映画祭の特徴は、前年グランプリを受賞した人のプログラムと、その人が影響を受けたプログラムを上映するのが恒例だよ。
賞をとった人が審査員をすることは、いくつかの映画祭であるけど、影響を受けた作品のプログラムを組むのは珍しい。
またザグレブでは何度かグランプリなしの年があった。それだけ受賞の重みがあるってことだね。
ザグレブはクロアチアの首都だよ。ちょっと昔はユーゴスラビア。
冷戦時代は、東側の人たちは映画祭でしか西側の映画を見ることができなかったから、冷戦の壁を超える交流の場の役割をしていたんだ。
だからたとえばエストニアのプリート・パルンさんは毎年来てる。東の人たちは、ザグレブで必ず仲間に会えるんだ。
90年代、ユーゴスラビアは内戦で大変だったんだけど、戦争中でも映画祭を続けたんだよ。
そしてアヌシーは一番古くて一番規模の大きい映画祭なんだ。
こちらはアヌシー50周年記念のDVD。
アヌシーは3年前に、元NFBのプロデューサでアニメーションの評論家でもあるマルセル・ジャンさんがフェスティバル・ディレクターに就任した。
彼が就任してから、毎年テーマを決めて行われてる。去年は女性監督特集、その前は立体アニメーション特集。
映画祭と平行してマーケットも盛大で、参加者もすごく多いんだ。古いお城で行われる展覧会も素敵だよ。
湖のほとりで気持ちがいいところだね。(つづく)