第4回 どうして最後が「プ」なの?






こちらゾートロープ、12枚の絵を描いて、動かすと、ほら絵が動きます。

前にみたプラクシノスコープと、にてるね。でもどうして両方とも最後が「プ」なの?

 



ええ、えーと、それは…?レイノせんせー…

 

レイノせんせー、ゾートロープとプラクシノスコープってどうして両方最後がプなの?

 

そうだな、フェナキスティスコープとかソーマトロープ、なんてのもあるよ。たしかにぜんぶ最後がプで終わるね。
フェナキスティスコープ
ソーマトロープ

 

なんだかややこしい名前が多いね。

 

そうだね。どれも映画が発明される前に、絵を動かして楽しむ視覚玩具とよばれるもので、英語だとOptical toyっていうんだけど、フェナキスティスコープとかソーマトロープはどれもギリシャ語なんだ。だからちょっとチンプンカンプンななまえだね。
Optical Toys

 

ギリシャ語?どうしてギリシャ語なの?視覚玩具はギリシャで生まれたの?

 

違うよ。イギリスや、ベルギー、フランスなど、それぞれ色々な国で発明されたんだ。ヨーロッパではギリシャ語は教養語だったから、科学者や発明家が新しい装置に、好んでギリシャ語を使ったんだって。英語で「意味がわからない、ちんぷんかんぷんだ」という意味で、It's all Greek to meという慣用句もあるでしょ?

 

I see.

 

ゾートロープ(Zootrope)や、ソーマトロープ(Thaumatrope)の最後についていているtropeは、ギリシャ語で「回転」を意味する言葉で、プラクシノスコープ(Praxinoscope)、フェナキスティスコープ(Phenakistoscope)の最後のscopeは、「見る」という意味がある。だから回転したり、動きを見る装置の名前の最後は「プ」が多いんだね。  ゾートロープは「生命の回転」、ソーマトロープは「驚きの回転」。プラクシノスコープの意味は「動作観察器」、フェナキスティスコープは視覚が「騙される」、という意味があるんだよね。

 

It's all Greek to me!

 

言うと思った。こんなのまだ序の口だよ、ネバーギブアップ!

 

 

 

Author: Asami Ike, Saki Muramoto and Koji Yamamura.
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6-20-2015