第9回 フィルムビルダー
ここにあるフィルムビルダーっていうの、面白い名前だね。
最近身体鍛えてるんだ、ボディービルダー…
ハハ(汗)、意味はちがうけどね。
ドイツのアニメーションの制作会社で、ドイツ語でビルダーは、絵画(Pictures)。描かれた映画、かな。
まんがだけではなくて、絵画的なアニメーションの可能性を探っているスタジオだよ。
今、展覧会をやっているアンドレアス・ヒュカーデさんも、ここのスタジオで制作したり作品を配給したりしているんだ。
ヒュカーデさんはフリーランスだけど、大きなスタジオの一角を借りて制作しているよ。
ドイツの懐は深いんだよ。このイギリスの作家、フィルムロイも、ドイツでの受賞をきっかけにこのフィルムビルダーで制作が支援されたんだ。
自分の国の人じゃないのにそんなことってあるんだ!フトコロが深いね!
アートに理解が深い。
ドイツは国の助成金の制度もいろいろ面白い試みをしているんだよ。
そういえば僕の仲の良いアーティストたちが、みんなドイツに行っちゃったんだよ。
メディアアートとか現代美術の作家とか。
そうなんだー。
ドイツ政府が支援しているアニメーション制作の助成金で、世界各国のいろんな映画祭の評価をもとに行われているものがあるんだ。
賞を取るごとに、ポイントが加算されていって、一年間ポイントが貯まると、それがそのまま作家の次回作の制作資金になる。
外からの評価がその作家の創作活動の延命に繋がるっていう仕組みだね。