2014年6月7日〜2014年9月27日
ロスとモスクワで商業的作品と独自の個人作品を制作している、ウクライナ出身のアニメーション作家、イーゴリ・コヴァリョフのオリジナル版画14点の展示と販売です。
彼の代表作『ミルク』は、7つの映画祭でグランプリを受賞、ユーリー・ノルシュテインいわく「ジェイムス・ジョイスの水準、世界の優れたアニメーションの10本に入いる。」と、高い評価を得ています。
イーゴリ・コヴァリョフ(Igor Kovalyov)
1954年、ウクライナのキエフ生まれ。ウクライナのアニメーション・スタジオに勤務したのち、モスクワへと移り、1988年にソ連初の非国営のアニメーション・スタジオであるパイロット・スタジオをアレクサンドル・タタルスキーと共に設立。初の単独での監督作品『妻は雌鳥』(90)は、オタワ国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞。その後、『アンドレイ・スヴィスローツキ』(91)を完成させたのち、1991年からアメリカに移住し、クラスキー・クスポ・スタジオの専任作家となる。『ぎゃあ!!!リアル・モンスターズ』(94)や『ラグラッツ・ムービー』(98)などのカートゥーン作品の制作を手がけつつ、個人制作の機会を与えられている。1996年には初期三部作の『窓辺の鳥』を完成し、ふたたびオタワのグランプリを獲得。2000年の『フライング・ナンセン』を経て、『ミルク』(05)は、オタワや広島国際アニメーションフェスティバルをはじめとして、7つの映画祭でグランプリを受賞。アクメフィルムワークス契約監督、現在モスクワ在住。
フィルモグラフィー
1989『妻は雌鳥』
1991『アンドレイ・スヴィスローツキ』
1994『ぎゃあ!!!リアル・モンスターズ』(テレビ・シリーズ)
1996『窓辺の鳥』
1998『ラグラッツ・ムービー』(長編/共同監督)
2000『フライング・ナンセン』
2002『The Way the Dead Love』(インターネット・シリーズ)
2005『ミルク』
» 公式サイト
» Acme Filmworks: Igor Kovalyov(作品のクリップが視聴できます。)
by Igor Kovalyov in Moscow
ジークレー(もしくはジクレー)は、最新のコンピュータ技術を使った版画技法で、 フランス語で「インクの吹き付け」を意味し、 スクリーンを使用せずダイレクトにインクを版画紙や キャンバスに吹き付ける技法です。
大量に印刷される一般の雑誌やポスターに使われているオフセット印刷がアート作品になるとリトグラフに名称が変わります。シルクスクリーン印刷をセリグラフとなる具合です。 そして、インクジェット印刷技法を使ったアート作品の技法名として考えた名前が「ジークレー」です。
技法としてはインクジェット印刷と同じですが、作家の原画やシルクスクリーン版画と同じ耐用年数の顔料インクを使い、長期保存性を実現、用紙には厚紙の非木材・漂白剤非使用の版画洋紙に刷られるなど、質が大きく異なります。
原画をコンピュータで解析し厳密に測定した上で、 色彩は512色のインクの混合によって7万色以上もの微妙な発色が可能で、 作画の精密さ・色調の幅ともに 従来の版画複製技法の限界を凌駕しているといわれています。 現在最も原画に近い版画製作法ともいわれています。