Au Praxinoscope GALLERY

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パルン「キルプラセッド」版画展

2018年5月5日〜2018年9月1日
エストニアのアニメーション界を牽引する監督プリート・パルンが描く、滑稽な人々が住む村の話「キルプラセッド」の本のための14点の連作イラストレーション。ピーテル・ブリューゲル風に描かれた群像画は、連作を通して幾つかのアクションが繋がる構成になっている。登場する様々なモチーフが同時多発的に物語の断片を垣間見せ、パルンのアニメーション作品を彷彿させる。「キルプラセッド」全14点のジークレー版画を展示、販売。

エストニアに古くから伝わるお話「キルプラセッド」 “KILPLASED (GOTHAMITES)”
古くからヨーロッパの国々に類似した民話が存在する「キルプラセッド」は、滑稽な人々が住む村の話です。
あまり意味がなく馬鹿馬鹿しい方法でやることを、“kilplane”と言い、“Kilplased”は造語ですが、一般的によく知られています。
1857年、エストニアの作家フリードリヒ・レインホルト・クロイツヴァルトによって、ドイツ民話を引用して書かれ、1962年にエストニアの児童文学者エノ・ラウドが近代的な言語を用いて、短く書き直しています。

プリート・パルンと「キルプラセッド」
1974年にエストニアの映画監督、レイン・ラーマットによって、「キルプラセッド」というアニメーション映画が制作され、プリートは、この映画のキャラクターデザインを担当し、その後、1977年にこのキャラクターたちを使い、同タイトルのコミックブックを制作しています。 今回の展示作品は、2016年に再び出版されたエノ・ラウドの「キルプラセッド」新版のために書かれた挿絵です。

ピーテル・ブリューゲル風に描かれた群像画は、男に襲いかかる犬、鶏を連れた男、二人の男と梯子、オオカミと馬などが、本全体を通して登場し、幾つかのアクションが繋がるように構成されています。
登場する様々なモチーフが同時多発的に物語の断片を垣間見せ展開していく 構成は、パルンのアニメーション作品を彷彿させます。

プリートと妻オルガと息子マルット
この作品はプリートの妻オルガが技術面を担当しています。紙に手で描いたものをスキャンし、フォトショップを使って仕上げています。また (絵の中の)家の壁に描かれたすべての落書きは息子のマルット=ルドルフによって描かれました。

受賞:
ベストイラストレーション(エストニア)2016年
イラストビエンナーレ特別賞(タリン)2017年

priit parn

プリート・パルン (Priit Pärn)

1946年エストニア、タリン生まれ。植物学者、風刺画家を経て1977年監督デビュー。80年代初頭、フリーランスのグラフィックアーティストとして活動。ヨーロッパ諸国、カナダなどで30回以上個展を開催。アニメーション作品『草上の朝食』(1987)『ホテルE』(1992)『1895』(1995)で国際的評価を不動のものとする。近年は新しいパートナーであるオルガ・パルンとの共同制作で新境地に入る。教師としてもフィンランドでの教歴ののち、2008年からウロ・ピッコフらとともにエストニア芸術アカデミーのアニメーション専攻を立ち上げ、後進の指導にもあたっている。アニメーション分野において生涯功労賞をASIFA(2002)、フレドリクスタ・アニメーション映画祭(ノルウェー、2004)、エチューダ&アニマ国際映画祭(ポーランド、2007)、ザグレブ国際アニメーション映画祭(クロアチア、2008)、CINEMA JOVE(スペイン 2013)で受賞。20以上のアニメーション、短編映画祭で審査員を務める。ヨーロッパ映画アカデミー会員。
フィルモグラフィー :
1977 『世界は本当にまるいの?』 Is the Earth Round?
1978  And Plays Tricks
1980  Some Exercise in Preparation for Independent Life
1982 『トライアングル』Triangle
1984 『おとぎ話』Time Out
1987 『草上の朝食』Breakfast on the Grass
1992 『ホテルE』Hotel E
1995 『1895』1895(ヤンノ・ポルドマと共同監督)
1998 『ニンジンたちの夜』Night of the Carrots
2003 『カール・アンド・マリリン』Karl and Marilyn
2003-05 『フランク・アンド・ウェンディ』Frank and Wendy
     (脚本及びキャラクター・デザイン担当)
2007  I Feel a Lifelong Bullet in the Back of My Head
   ("Black Ceiling"という、エストニアの詩人の詩をアニメーション化するオムニバスの一編)
2008  『ガブリエラ・フェッリなしの人生』Life without Gabriella Ferri
    (共同監督:オルガ・パルン)
2010  『雨のダイバー』Divers in the Rain(共同監督:オルガ・パルン)
2013   Pilots on the Way Home
     (現在制作中。カナダNFBとの共同制作、共同監督:オルガ・パルン)
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by Priit & Olga Pärn in Estonia
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THEY RETURNS HOME
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SUSTAINABLE BEGINNING
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SOMETIMES IT FORBIDDEN
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TO THE WIDE WORLD
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    金曜 & 土曜
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